処女を手に入れた施設園長の懺悔 ※DVD収録
告白 小山内(PN)
自死した初恋の女性
児童養護施設に勤めるようになり、もう三十年が過ぎようとしています。私がこの仕事を志したのは、ある友人の自死がきっかけでした。初恋の相手であり、私に生きる希望を与えてくれた女性でした。
彼女との出会いは中学のとき。お転婆で明るい性格な彼女に対し、私は純文学に傾注する根暗な少年で、友人と呼べる人間もほとんどいませんでした。日々「おはよう」と「さようなら」しか口にせず、私の心は現実から切り離され、物語の中でだけ生きていました。私はそれでよかったのです。
そんな私に現実世界の美しさを教えてくれたのが彼女でした。最初はただの好奇心だったのでしょう。クラスに居るのか居ないのかわからない影のような私が気になったのかもしれません。
「小山内くん、あそぼ!」
そう言って彼女はいつも唐突に私を連れ出し、ふたりでさまざまな景色を通り過ぎていきました。私たちは三年ほどそうして過ごしましたが、恋人という類の関係ではなく、一度も手を触れることもありませんでした。それでも私にとっては初恋の女性であり、人生を変えた先導者でもありました。
しかし、私は彼女の心が暗く深い沼に沈みこんでいたことに気づけずにいたのです。彼女は、養護施設で育ち、里親のもとで生活をしていました。そして、その里親からずっと性的虐待を受けていたのです。
「ばいばい」
そう短く書かれた紙きれだけを残し、彼女は沼の底へと飲まれてしまったのです。
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