石崎澄子のお仕置き教室「お尻叩きは愛情を籠めて」【1】

(「マニア倶楽部」通巻7号より)
石崎澄子のお仕置き教室・第2回
「お尻叩きは愛情を籠めて」~子供への「おしおき」には、母親の愛情の発露とユーモアこそが必要です。

指導:石崎澄子
*心療カウンセラーの立場から躾けの原点・お仕置きを、母親と子供を結ぶ最短距離のスキンシップとして考察する。

1、大切なユーモア
2、母親のおひざ
3、洋間でのおしおき

(付録)おしおきケース・スタディNO.2
「小学六年生のお浣腸遊び」
*このケーススタディは「マニア倶楽部」2010年1月号の誌上に掲載しています。
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オネショ純文学「非情の海」(作・三浦哲郎)八章

おもらしコーナー

八章

その日から五日目に、艦載機による二回目の空襲があった。
早朝にいちど、真昼にいちど。こんどは、港と、町がやられた。
早朝の空襲で、造船所のタンクに火が入り、噴き上げる黒煙が監視哨の空をも蔽ってきた。港内には、沈められた船のマストの先が杙のように立ち並んで、船が入ることも出来なかった。港のはずれに山盛りに置いてあった硫黄が燃え出し、強い臭気が町のいたるところに立ちこめて、手拭で口や鼻を蔽わなければ歩くことが出来なかった。
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オネショ純文学「非情の海」(作・三浦哲郎)七章

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七章

梅雨が明けると、敵機動部隊北上中という情報が飛び、ある朝、港の附近が多数の艦載機の来襲を受けた。
そのとき、高梨伍長が一人で立哨台にいたが、ふと明るみはじめた東の空に虻の羽音のようなものがきこえ、おやとみるまに、水平線の空にぱらっと胡麻を撒いたような黒点が、信じられない速さでふくれ上がってきた。けれども、本部からはなんの情報もない。警戒警報すら、まだ出ていない。それにも拘らず、双眼鏡のなかを次々とよぎっていく黒いずんぐりとした飛行機の胴体には、米軍機のマークがはっきりとみえた。
「あ、グラマンだ。」
と伍長は呟き、それからつづけざまに、
「グラマンだ、グラマンだ、グラマン多数、大多数。」
と通信室に呶鳴った。
そのときはすでに、陸軍の飛行場の方から、ずしん、ずしんと爆弾が炸裂する音がきこえはじめ、その上空にはグラマンの群が辷るように右へ左へ飛び交っていた。
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オネショ純文学「非情の海」(作・三浦哲郎)六章

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六章

百合子は、立哨中、前の海を海防艦が通ると、立哨台にいる仲間たちを誘って、手を振った。すると、海防艦でも、こっちに帽子や白い布を振るのがみえた。
あのなかには納谷もいて、自分に帽子か布を振っている、そう思うだけで百合子は、嬉しかった。彼はともかく今日も生きているのだ。
百合子は、海防艦が前の海を通るのを楽しみにして待つようになった。時には、三日も四日も、港の入口の島影に錨をおろして、じっと動かないでいることもある。けれども、そんなときはそんなときで、彼が上陸してくる可能性が大きいのだ。
ある晩、百合子は家の縁側で、戦争のことを除いていま一番望むことはなにかと、かれに訊いてみたことがある。
「一番望むことですか。」
「一番何がしたいかということです。」
「そうですね。糊のきいた浴衣を着て、下駄を履いて、からんころん、小石を蹴りながら道を歩きたいですね。死ぬまでには、ぜひいちどそうしてみたいな。」
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オネショ純文学「非情の海」(作・三浦哲郎)五章

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五章

四月の末近く、百合子が夕方家に帰ると、母が縁側で泣きながら若い海軍の兵隊と話をしていた。それを裏庭の垣根の外からちらとみたとき、ふと百合子は、兄が生きて帰ってきたのではないかと思った。
けれども、そんなことがあるわけがない。
「こちらはなあ、納谷さんといって、庄吉とは最後まで戦友だったお方だよ。それが、おまえ、いま港にきている海防艦に乗ってらっしゃるんだと。」
縁先に立った百合子に、母はそういった。
納谷は真黒に日焼けした顔をしかめて、眩しそうに百合子を見ていた。
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オネショ純文学「非情の海」(作・三浦哲郎)四章

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四章

宿直の朝、隊員室の硬い寝台の上で目を醒まして、上条百合子は、またかと思い、がっかりする。
なんで自分は、いつもこう惨めな思いをしなければならないのだろう。
目を醒ますと、きっと下ばきが濡れている。すこしばかりではなく、股から腰
のうしろの方まで、腰湯をつかったようにびっしょりと。
躯の下になっている部分、例えば仰向けに寝ていたときは腰のうしろが、うつ伏
せに寝ていたときは下腹のあたりが、そこだけがじっとりと生暖かく、目を醒まし
て、その生暖かさに気がつくと、全身の力がそこからすっと抜けていってしまう。
またかと思う。即ち、心が暗く翳ってくる。
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オネショ純文学「非情の海」(作・三浦哲郎)三章

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三章

炊事場の開け放った窓から、醤油の煮える匂いが流れている。隊員の一人が流し場に立って包丁でなにか刻んでいるのがみえる。
裏口を開けて入っていくと、流し場にいた隊員が怪訝そうに顔を上げ、それから、はっとしたように包丁を置いて、
「気をつけ。」
といった。すると、向う隅で、野菜を盛った笊を前にしゃがんでいたもう一人の隊員も、弾かれたように立ち上がった。
「そのまま。つづけてよろしい。」
二人の炊事当番は、また包丁を手に取り、笊のそばにしゃがんだ。天井に薪の煙がこもっている。薬師寺少尉は手袋で目を拭きながら、
「君たち、煙たくないかね。」
といった。
「いいえ・・・・・馴れてますから。」
流し場の隊員が微笑して答えた。二人は、彼がさっき立哨台で、にこりともしなかったことなど、まだ知らない。
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オネショ純文学「非情の海」(作・三浦哲郎)二章

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二章

隊員室といっても、十人の隊員がみなそこに寝泊まりしているわけではなかった。隊員たちは、十人とも、近くの港町の自分の家から通ってきていた。毎日、二人ずつ夜勤当番として居残るほかは、夕方勤務を終えると、また自分たちの家へ帰っていく。
板敷きのその部屋には、隅の方に、夜勤当番が交替で眠る粗末な木の寝台が一つ、ほかには卓球台のような白木のごついテーブルと、それを囲んで横長の腰掛が三つ置いてあるきりである。
夜勤当番は二人ずつだから、隊員たちには五日にいちどずつ廻ってくるわけである。当番のときは、夜勤のほかに、哨長以下五人の兵隊に自分たちを加えた計七人分の夕食と、翌日の朝食、それに弁当なしで通ってくる他の隊員を含めた全員の昼食の炊事を受け持つことになっていて、その昼の炊事を済ませたあとは、翌朝まで勤務から開放されて、自由行動が許される。
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オネショ純文学「非情の海」(作・三浦哲郎)一章

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非常の海

一章

朝、点呼のとき、とつぜん南の海上から重くずっしりと腹にこたえる爆発音が二つ、つづけざまに響いてきて、列がすこしざわめいた。
「なんでもない。落ち着け。」
副哨長の田原准尉がいった。
「海軍が、浮游機雷の処理をしているんだ。あんな音ぐらいで、びくびくするな。」
爆発音はまた三つつづき、それから静かになった。
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オネショ純文学「非情の海」(作・三浦哲郎)解説

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(編集部より)「非情の海」は三浦哲郎作の純文学。「小説現代」昭和42年8月特大号にて”特別企画長編・戦争と悲しき女の性”と銘打って、野坂昭如の「娼婦焼身」と共に発表された。ちなみに同誌の目次には「不幸を負い、ひたむきに生きる挺身隊員。北の海に描く乙女の純愛」とある。
ここで注目すべきは、「小説現代」が娯楽的な方向性の大衆小説誌であるということ。そして「戦争と悲しき女の性」という企画の元に書かれたという事実である。今日、我々おねしょ愛好家は、この作品にセクシャルなものを感じながら読んでしまう訳であるが、それは必ずしも純文学を冒涜しようとするものであるとは言い切れないことになる。三浦哲郎自身、おそらくこの作品をセクシャルなものである、と意図して執筆した筈だから。
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