浣腸で自慰行為に耽るM女性の告白「意地悪なイチジクお姉さん」【2】
2、浣腸の様々な記憶
私にとっての浣腸の記憶でいちばん古いものは、三、四歳の頃に熱を出して、母に連れて行かれた病院でされた浣腸でしょう。処置台に敷いたビニールの上に仰向けに寝かされた私の視線の先には、薬液を吸い上げたガラスの浣腸器を手にした看護婦さんが立っていました。でも幼い私にはそれがなんなのかまだわからなくて、ただ、なんか大きな注射器みたいって思っていました。
看護婦さんは嘴管を上にしてピストンをちょっと押し、浣腸器の中の空気を追い出しましたが、そのときにピユツと少しだけ薬液が飛んだのを、不思議なほどよく覚えています。
看護婦さんは、「針はついてないから痛くないわよ、大丈夫だから」と、優しく声をかけてくれました。
それから両足首を持ち上げられ、お尻になんだかむずむずした感じがあってからうんちがしたくてたまらなくなり、お尻を紙で押さえてしばらく我慢させられてから、処置室のすみに置かれたおまるに排泄したのでした。
大人になってマニア誌などを読んでみれば、子供の頃にお母さんからしてもらったイチジク浣腸を覚えている方が多いようですね。私も何度かされたことはありますが、たぶんこの病院での経験以降のことだと思います。また、大きくなるにつれて羞恥心も芽生え、たとえ母にだって、お尻を見せるのは恥ずかしくなって、幸いあまり便秘もしないほうでしたから、小学校以降は浣腸のお世話になることもありませんでした。
そんな私が便秘をするようになったのは、短大を出て建築会社のOLとして働くようになり、一人暮らしをするようになってからです。仕事のストレスや、偏りがちな食生活のせいではなかったでしょうか。何日も排便がなく、仕方なく下剤を使うようになりましたが、あれって朝起きるころに効くようにのんだつもりでも、変なときに催してしまうこともあって、ちょっと困るんです。
そんなときちょうど、祖母の家の片付けの手伝いに行く機会がありました。古い家の物置を整理していると、もう使わなくなったほこりだらけの薬箱が出てきて、開けてみると傷薬やガーゼなんかと一緒に「イチジク浣腸」と印刷された小箱があり、中には小さなビニール袋に包装されたピンクの浣腸が一個だけ残っていました。それを見た途端、あの病院での記憶がよみがえってきて、好奇心がわき起こってきたのです。
「そうね、ちょうど便秘してるから、自分で浣腸してみてもいいかな」
私はその小箱に印刷された使用法を読み終えると、中身だけをそっとジーパンのポケットに忍ばせました。箱も持って帰ろうかと思ったのですが、ポケットが小さくて入らなかったのです。そして自分の家へ帰る道すがら、ポケットの上からさわってはその丸っこい感覚を確かめていました。もしかするとこのときすでに、私は浣腸の魅力にとりつかれていたのかもしれません。お尻に差し込んでうんちを出させるような、恥ずかしい、なにかいけないものを隠し持っている、そんな秘密めいた気分に、ひとり胸をときめかせながら人混みを歩いていた私は、ふと気がつきました。
「この浣腸って、おばあちゃんの物置にあったくらいだから、相当古いのよね。あんまり古いものを使ったら体によくないかも……」
そこで私はたまたま目に付いたドラッグストアに飛び込み、イチジク浣腸を探しました。
そして「便秘薬」のコーナーにあるのを見つけましたが、あれ? パッケージが違う。私のポケットに隠れているイチジクが入っていた箱の色は、確かオレンジとブルーと白じゃなかったかな。でも目の前に並んでいる箱は、ブルーに白い十字の模様で、大きく30と書かれています。でも、ちゃんと「イチジク浣腸」って名前も入ってるから、これでいいのよね。きっとデザインが変わったんだわ。
まわりにほかのお客さんがいなくなる時を待って、私はその小箱を一つ手に取ってレジに向かいました。白衣を着たレジの女性はそれをさりげなく袋に入れ、会計をしてくれましたが、そのあいだじゅう私は目を伏せていて、お金を払うときもその人の顔をまともに見られませんでした。
「この人が自分のお尻に浣腸するのね」
って思われているようで……。
自分でも不思議に思うんですが、同じ便秘のお薬でも内服薬なら平気で買えるのに、浣腸を買うときは今でもためらってしまって、できるだけ年上のやさしそうなおばさんからしか買えません。やっぱりお尻に入れるっていうのが恥ずかしいのかな。だからこのときも、もうドキドキでした。いっそスキンみたいに、どこか目立たないところに浣腸の自動販売機があったらいいのに。
足早に店を出て自分の部屋に帰り着いた私は、まずポケットの浣腸を取り出し、次に袋を開けて、イチジク浣腸を取り出しました。小さくてかわいい箱のわりに重たいのね。
箱の裏を見ると「効能・便秘 使用法・肛門内注入」と書かれています。なんかずいぶんあっさりしてるじゃない。おばあちゃんちで見た箱には、もっといろいろ書いてあったのに。
糊付けしてあるふたを開けると、ポリ袋に入ったピンクの浣腸器が二つ、くちばしを寄せ合うようにしてひっそりと入っていました。でも、昔のとはなんか違うみたい。見比べてみると、昔のイチジクは先端部の両側にくぽみがあるだけ。袋にはコーンビーフのオープナーを短くして尖らせたような、穴あけの用具が一緒に入っています。そしてさっき買ってきたほうは、先端にキャップがはめてあるだけ。ふうん、進化したんだと思いながら、とりあえず使ってみることにしました。
戸口の鍵がちゃんとかかっていることを確かめて、念のために留守電もセットしてからジーパンとパンティーを膝の上までおろしました。初めて自分でする浣腸にどきどきしながらポリ袋を破ります。ひねるようにしてキャップをはずし、テーブルに片手をついて、むき出しのお尻を後ろにつきだして、もう一方の手で挿入しようとしましたが、つっかえたみたいでうまく入りません。そうだ、さきっぽを濡らさなきゃいけなかったのね、と思いました。
そこで浣腸器の先端を上に向けて、ふくらみの部分を軽く押してみました。
ピユツ……。子供の頃に見たあの看護婦さんみたい。そこで再度挑戦してみました。でも濡らし方が足りないのか、緊張しているせいなのか、やっぱりうまくいきません。
滑りのよくなるものはと考えた私は、オロナイン軟膏を使うことを思いつきました。確か痔にも効くって書いてあったから、お尻に入ったって害はないわね。そこで普段便秘薬なんかをしまっている引き出しからオロナインを取りだして指先に取り、お尻の穴に塗りつけました。にちゃっとした冷たい感覚があって、くすぐったい。
それからあらためてイチジク浣腸の先端をあてがうと、今度はぬるっと中まで吸い込まれました。
「ひっ」
いつもは出すばかりのところに、逆になにかが入ってくるのって、とても変な感じです。
それから容器を三本の指で押しつぶしました。
プジューツ。お尻の出口近くがひんやりしてきて、薬液が私の直腸の中へ注入されたのが感じられます。
全部入ったかな? 私は浣腸器を抜き取りました。つぶれたイチジク浣腸の挿入部分には、白いオロナイン軟膏がかすかに付着しています。つぶれを元に戻して灯りにかざしてみると、なんとまだ三分の一ほど薬液が残っているではありませんか。いっぱい入ったような気がしたのに……。
そこでもう一度お尻に手を回して残りの液を注入しましたが、最後にプクプクッって音がしたから、空気も少し入っちゃったみたい。
それからパンティーとジーパンをはきなおし、空になった容器はさっきのポリ袋に入れてゴミ箱に捨てました。おなかはまだ何ともなくて、なあんだ、あんなに緊張した割に、浣腸なんてたいしたことないじゃないと私は思いました。そのときはまだグリセリンの威力を知らなくて、浣腸を甘く見ていたのです。
しばらくすると下腹部が少し重たくなった感じはありましたが、まだ大丈夫そうだから先にお風呂でも入ろうかなと思ってバスルームに行き、バスタブの栓をしようとかがんだときに強烈な便意が襲ってきました。
ほんとにいきなり、キュンツ! という感じで肛門が内側から押されたのです。
「えっ、うそっ」
私はあわててお尻の穴を引き締めましたが、浣腸の効果は括約筋の力を上回っていました。ぷりゅっと、液状のものがお尻からもれました。
「やだっ-
大急ぎでジーパンを脱ごうとしましたが、あせっているときにはなかなかボタンが外れてくれません。その間にもお尻からはぴゅるっ、ぴゅるるっと何かが噴き出してきます。
あせりにあせってやっとジーパンとパンティーを脱ぎ捨てましたが、もうトイレまで行く余裕はありません。浴室の床にへたり込んだような姿勢で、とっさにそばにあった洗面器をお尻の下につけ、私は便意への抵抗をあきらめました。無理してトイレまで行ってたら、そこらじゅうにうんちをまき散らしちゃいます。
もう一度びゅるっと水っぽいものが出たあと、便塊が肛門を押しひらき始めました。恥ずかしい話ですが便秘のあとって、自分でもびっくりするような大きさのうんちが出ることがあります。このときも数日便秘していたので、きっと出るときに痛い大きなのが……と私は覚悟しました。
ところが不思議なことに、ちっとも痛くないのです。
肛門が大きく開かれている感じはしても、いつものようなきしむ感じがなくて、太いものがぬるっぬるっと通り抜ける、それが気持ちよくて気持ちよくて、思わずわれめに触れてみると、そこはもうびしょぬれになっていました。浣腸と排便で、私は自分でも知らないうちに興奮していたのです。
大きなうんちのあとに続く、びちびちとした軟便、ときどき混じるプッ、ブリュッというおならの音と、バスルームにこもる恥ずかしいにおいの中で、私はそれまでのセックスでは経験したことがないほどの、絶頂感を迎えたのでした。
「浣腸でイッちゃった……」
思いがけない経験にひとりで頬を赤らめながら、洗面器や下着の始末をしてふと見ると、電話機の録音ランプが点滅していました。気がつかなかったけど、私がうんちをしている間に電話がかかっていたんです。よかった、留守電にしておいて。もし電話がかかるのが一、二分早くて私が受話器を取ってたら、話してる最中にうんちが出ちゃうところでした。













