お嬢様の「便器」願望。
「お金が欲しいと思ったことは無いんです。小さい頃からお金にこまったことは無かったし、今も、昼間の仕事もしてるけれど、お金には困ってないから……」
SM嬢も夢を売る仕事。お嬢様を気取る女の子も多いが、まどかは本物の令嬢だ。
落ち着いた衣装にバッグ。風俗嬢にありがちな自己顕示欲が染み出すようなブランド物で固めたような女では無いところが、生まれながらに本物に囲まれて生きて来たことを窺わせる。
「堕ちていく感覚にずっと憧れていたんです。小さい頃から、周りの人たちが気に掛けてくれたり、ちやほやしてくれるのが、なんだかニセモノくさいって思っていて……逆に、私のことを嫌ったり、蔑んだりする視線の方に、私のことを本気で意識している実感を感じました」
奴隷の身分を意識させて欲しいというまどか。
まどかが「ご主人様」に求めるものは、徹底的な人格否定だ。